子どもの障がいと向き合う

理学療法士の目線から発達障がい、タッチセラピー等について書いていきます。

タッチセラピーをすると何故良いの?

タッチセラピーをすると基本的に3つの効果が得られるとされています。

①身体面の向上

②心理面の向上

③感情面の向上

 

医療ケアを受けている子どもはタッチが不足していると言う研究結果が出ている程、触れることはとても大切な事です。

 

しかし、触れれば良いかと言われればそのようなことはありません。

 

子どもにとっては「タッチセラピー」、「マッサージ」などと言ったことは何かも理解出来ておらず、異次元のことだからです。

 

その為、タッチセラピーに慣れるまでの間は子どもにとってこの施術が不安でしかないのです。

 

大人だった、よく知らない人や嫌な人に触れられるのは正直あまり良い印象はありませんよね。

 

ですが、心を許した相手から触れられると不思議と気持ちが良い感じになると思います。

 

子どもにこの心地よさを知ってもらうのもタッチセラピーの目的でもあります。

 

心地の良い感情を知ってもらうことで、感情が豊かになり、精神面の安定や活動意欲が高まりやすくなります。また、感情が高まりすぎている子どもに施術することで、リラックス効果も得られる為、子どもに本来必要な要素を引き延ばす役割があります。

 

タッチセラピーを積極的に導入できるようになると、子どもにとっては「この人は安心できる人だ」と言う認識にも変わります。安心できる人の言うことであれば、コミュニケーションも取りやすくなるので、色々な所で効果が見られやすくなります。

 

タッチセラピーは子ども発展させると言う目的だけではなく、子どもの成長に必要な下地を作るのにもとても効果的です。

 

タッチセラピーをして悪くなることもありませんので、デメリットがないというのもとても大きな利点です。

 

子どもに触れる機会が増えることで、プラスになる要素は多くありますので、このような点からもタッチセラピーをオススメしています。

広汎性発達障害(PDD)

広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorders)

この種類は比較的診断としてはつきやすい障害です。

名前の通り、特定した障害ではなく、言語、行動、社会性といった広い範囲で障害が示される総称になります。

さらに具体的にいうと、自閉症アスペルガー症候群などが含まれます。

自閉症の定義として、文部科学省は以下のように示しております
自閉症は、3歳くらいまでに現れる症状
①他人との社会的関係の形成の困難さ(他人に関心がない、視線を合わせられないなど)
②言語の発達の遅れ(身振りやジャスチャー、表情による意思伝達の困難、コミュニケーションの問題など)
③興味や関心が狭く特定のものにこだわる(同じ動作を繰り返したり、物や食べ物の見た目など)
上記のことを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定するとされております。

高機能自閉症では「知的発達の遅れは伴わないものをいう」としており、IQ70以上は高機能自閉症とされることが多い。

アスペルガー症候群では「知的発達の遅れを伴わず、自閉症の特徴のうち、言語の発達の遅れを伴わない」としています。

その他の特徴としては、聴覚、視覚、触覚などの感覚刺激に対する過敏または鈍感、運動の不得意などがあります。

この説明を読まれている方の中で、それば何ももって広汎性発達障害と判断すれば、良いのかわからない方がいらっしゃるのではないかと思います。

まとめると、発達障害を総合的にまとめて、特徴をみていくというものになります。

子供達は一生懸命がんばっています。しかし、これらの問題によりどうしても改善または解決が難しいものがあります。

しっかりと子供の現在の状態をみることを大切にしてください。

何をするのがベストなのか?

このブログでは「タッチセラピー」について紹介しますが、保護者の方にとっては何をするのが子どもにとってベストなのかという疑問があるでしょう。

 

これは私個人の考えなので、参考程度に読んでください。この点だけは約束してください。

 

私の中ではベストはないと思います!!

 

なぜそんなことが言えるのかという所ですね。

 

それでは小児の代表格である「ボバース」を例にあげてみましょう。

 

「ボバース」で誰がしても同じ内容でかつ同じような成果が出せますか?

この答えは「No」と答える人が大半だと思います。

 

これはどうしてかと言うと、「理解度」の問題です。

正しい理解が無ければ、どれだけ素晴らしいものであっても適切な施術にならないからです。私はボバースを本格的に学んでいないので、私がボバースをしても単なる真似事にしかならないということです。

また、対象者にとって「ボバース」や「ボイタ」がベストなのかもわからないからです。しかし、施術内容の理解度が高ければいくらでも応用が出来ますので。

 

結局の所、「誰が何をするのか」が最も重要なので、ベストが無いということになります。

 

一番ダメなのが、「私は今までこの方法をしてきたからこれが間違い無い」ですね。

 

これが常に良い方向に動いているならば、良いのですが、必ずどこかで壁にぶつかることがあります。その場合は他者の意見や普段とは異なることをしてみるのが良いと思います。

なぜタッチセラピーを選んだのか?

日本で行われている小児のリハビリの多くは「ボバース」と「ボイタ」の2大巨塔です。

 

リハビリ業界でもタッチセラピーはどうでしょうと言っても、浸透は低い分野だと思います。

 

マッサージとタッチセラピーはどのように違うのかというレベルだと思います。

実際の施術内容においてマッサージとタッチセラピーは大きく変わらないと思います。

その理由はリハビリ職者でなければ出来ないものでは無いからです。

 

医療従事者だけでなく、一般の方でも正しい知識を身につければ施術できる内容にしているからです。

 

この内容を読んだ時点でなおさら「タッチセラピー」を選んだ理由はわからなくなるかと思います。

 

きっかけ自体は単純なことでした。「ボバース」と「ボイタ」は研修期間が長く、病院の大きな理解が無い限り、受講が困難だったからです。長期の研修を受ければ、それに応じたものが得られる方と思いますが、私の働く所では長期に渡り、施設を離れて勉強するのが困難だったので諦めました。

 

タッチセラピーは私の職場でも受講が出来る期間であった為、タッチセラピーを受講してみたいと思ったのが最初のきっかけでした。

 

セミナーでは、ティナ・アレンと言うタッチセラピーの創設者が直に来日し、研修をしてくださいました。先生の話を色々聞き、小児に対しての取り組む姿勢や自分の活動や実績を知っていく内にのめり込むようになりました。

 

また、タッチセラピーは子どもと関わる上で基本を大切にしていれば応用がいくらでも効く利点があり、どのような環境下でも活用しやすい内容でした。元々私はアロマテラピーをしていたので、それとも相性がよかったというのもあります。

 

きっかけ自体はあきれてしまうようなものではありますが、最終的には受講してよかったと思えるものでした。

 

発達障がいって何?

発達障がいという言葉をテレビや新聞などのメディアで多く取り上げられるようになっています。

 

しかし、発達障がいの情報を世間的に広がっている反面、偏見を強く持ってしまう方が増えているのも事実です。

 

確かに、何も障がいが無い子どもと比較した場合に関わる時に大変な部分は正直あります。しかし、その子だから出来ることだってあります。うまく個性を伸ばすことで、その子らしさを持って日々生活することが出来ます。

 

発達障がいがあると聞いただけで、「暴れまわるのではないか?」、「何か悪さをするのではないか?」、「関わるのが大変なのではないか?」など悪いことだけが入ってきませんか?

 

発達障がいについての紹介がある場合、先に「このような所に注意してください」、「このようなパターンが出てきやすいです」など説明書的なことを言われることが多いです。良い部分を先に話されていることが少ないからこそ、悪いイメージが先に働いてしまうことが多いんです。

 

皆さんご存知でしょうか?医療、機会、ビジネスなど社会では数多くの議題についての研究者がいます。優れた研究者の中の数割は発達障がいがあるとも言われています。

 

「発達障がいがあるのにすぐれた技術がある?」と言う考えを持たれている方もいるかと思います。

 

発達障がいのメジャーである「自閉症スペクトラム症(ASD)」を例に挙げて説明しますね。自閉症スペクトラム症がある場合は下記のような特性があります。

 

〇得意なこと

・規則性、深い専門性が求められる内容

・緻密な集中力を要する作業

・膨大なデータ整理

〇苦手な事

・曖昧な指示の理解

・相手毎の臨機応変が必要な作業

・コミュニケーション(会話)を中心とした内容

 

以上のことをまとめると、1つのことに没頭するのは得意だけど、人と接したり明確な指示がなければ動きにくいということです。

 

自分の興味があることに没頭させると、質の高いものを作りあげることができます。

 

算数は常に高得点だけれども、他の科目は...なのがいい例ですね。

 

発達障がいはその子の個性が特に強く出やすいと捉えるとかなり見方は変わってくると思います。

 

一言で多くのことをお話することは難しいので、これから少しずつ発達障がいの特性の理解や出来ることをさらに伸ばしいく方法などを書いていきますね。

はじめまして

はじめまして。

 

この度、ブログを始めました、hiroと言います。

 

理学療法士の仕事を現在しており、このブログでは、発達障害、タッチセラピー、運動などを中心に記事を書こうと思っています。

 

理学療法士の仕事を始めて約10年になります。

 

理学療法士を始めた最初は高齢者施設で勤務しておりましたが、発達障がいをもつ子どもと関わる機会を持ち、そこから小児の分野に強く興味を持つようになりました。

 

理学療法士の仕事をしていく中で、特に徒手療法(手で行う手技)を学ぶことが多く、その関係から小児タッチセラピーというものを学ぶようになりました。

 

このブログを開設しようと思った理由が自分が学んできたものが少しでも誰からの役に立たないかと思い、現在も修行中の身ではありますが、情報発信をしたいと思いました。

 

子どもの分野で近年発達障がいの情報が出てくることが増えるようになっています。

しかし、発達障がいは具体的にどのようなものなのかを知らないと言う方が多くいらっしゃいますので、少しでもわかりやすく伝えることができればと思います。

 

少しずつではありますが、記事をアップしていこうと思いますので、読んでくだされば幸いです。